前回、昔は少し変わったパズルゲームにハマっていたというようなことを書いたが、今作もその1つである。
「I.Q インテリジェントキューブ」(以下IQ)は、ウェーブごとに予め決まったパターンで配置されるキューブを捕獲していくといったパズルゲーム。プレイヤーはステージ奥からせり上がり、ウェーブごとに設問単位で転がってくるキューブに対して床1マスをマーキングすることが出来、マーキング解除時にそのマス上のキューブを捕獲(キューブを沈めて消す動作)することが出来る。
キューブを一定数以上逃してステージ上から落下させたり、黒いフォービドゥンキューブを捕獲してしまうとペナルティとしてステージ末端から1列ずつ崩壊していき、プレイヤーがステージ上から落下するとゲームオーバーとなる。IQとはいうものの、直接知能指数とは関係がない。
なお、本作の原案は「だんご3兄弟」「ピタゴラスイッチ」などで有名な佐藤雅彦氏によるもの。
UIやルールが極端に簡素化されているものの、設問ごとに規定された模範歩数以内にクリアすると加点される要素があったり、緑のアドバンテージキューブを使ってキューブを捕獲すると倍率がかかることや、操作次第で1手で2マスのキューブを捕獲出来ると見た目以上に作り込まれておりやりこみ要素もありゲームとしての完成度はもちろんだが、個人的には本作の真髄はそのサウンドトラックにあると思っている。
本作並びに続編の「I.Q Final」では、テレビドラマや映画などで劇伴担当を多く持つ服部隆之氏によるオーケストラ楽曲がBGMとして採用されている。オーケストラ音楽はいいぞ、みたいな話をしても馴染みがなければ手が伸ばしにくいジャンルであるが、ゲーム音楽であれば取っ掛かりとしては手が出しやすいのではないだろうか。クオリティに関しても作中の雰囲気に非常にマッチしているのはもちろんだが、ステージ1のBGMである「第1の潮流」からして非常に重厚でありながらキャッチーなトラックであり、そのメインフレーズをアレンジされた「黄道」はよりテンポアップしてコーラスの入った緊迫感のある楽曲になっていて、この2曲を聞くだけでも本作をプレイする価値はある。続編のFinalでは「第2の潮流」なる繋がりを感じさせる楽曲が収録されているのも良い。オーケストラがBGMのゲーム作品としては真っ先に名前が上がって然るべき作品だと思う。
本作の一番の難点は初代・Finalのトラックをまとめたサウンドトラックが如何せん発売から月日が経っており、そのためか高騰化しており入手または布教が困難な点かもしれない。