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セルフライナーノーツ Vol.14

ニコニコに取り残されていた楽曲集

ニコニコ動画が復活したのに伴って、Vol.13で書けていなかった曲を追記することが出来るようになったので気が向いたうちに書いておく。プレイヤーの埋め込みにはまだ対応していないようなので、埋込が出来るようになったら差し替える予定。

そもそも音楽のみを投稿するにはかなり不向きなニコニコ動画に何故投稿していたのかは、普段イキってたものの少し世間の反応が知ってみたくなり、あわよくばそれなりに認知度も上げられるかなという完全な打算であったが、ポッと出でガツガツ宣伝していくわけでもない一投稿者はもちろん大量に投稿される投稿動画の山の中で埋もれたままで終わった。

Transmigration of the Soul (2010)

https://www.nicovideo.jp/watch/sm9576560

https://www.nicovideo.jp/watch/sm9576560

※8/6時点ではOGPすら取れてなさそう

拙作「Metempsychosis」のセルフリミックス。下手したら過去作った中では一番真っ当なトランスかもしれない。

原曲はBPMがかなり早めだったがソフトシンセで遊んでいた際にこの曲のフレーズを弾いてみたところ、意外とトランスにも転用出来るのでは?というところから着想して作るに至った。なんやかんやで思っていたよりはトランスとして収まりもよくなり、非常に無難な出来にはなったように思う。ポッと出のオリジナル(しかもボカロが盛り上がっている時期とプラットフォームにインスト楽曲)の再生数が回ることはなかったが、個人的には結構苦労していたトランス楽曲がある程度きちんとした形でアウトプット出来たことは僥倖だった。

なんかMVを作ってみたいと思って当時利用可能だったニコニコの素材をVJっぽく繋いでムフーってしていた。作っている分には面白かったし静止画と比べるとやはり動きがあるのはいいなと思ったものの、同時に普段ニコニコに楽曲を投稿している作曲者が何故PVを外注するかを痛感したのでこれ以降MVを自分で作る気にはなれなかった。

koyori - それでも、恋(Czk’s Bitter Club mix) (2010)

https://www.nicovideo.jp/watch/sm9614235

https://www.nicovideo.jp/watch/sm9614235

電ポルPことkoyoriは当時在籍していた大学の研究室での同期であり、担当指導員も同じでお互い作曲をやっているということもあってそれなりに仲が良かった(と思っている)。確か彼がクラブ音楽をやってみたいがよくわからないということだったので、彼の楽曲のボーカルラインを借りて4つ打ち曲を作ってみたという経緯で作ったのがこのリミックス。ちなみに動画の説明文にあるスコーン論争については何のことだか微塵も覚えていない。

ニコニコで再生数が回るようになってきたしそろそろCDを作ってみたいということで相談を受け、当時既にサークル活動を開始していたこともあり頒布用のCDを作るにあたって1stアルバムのジャケット周りのデザインや即売会用の名刺作成、売り子の手伝いをしたりもしていた。何かのイベントの際に、起床したら既にイベントが始まる時間で手伝いをすっぽかしてしまったのは今でも申し訳なく思っている。

自身の中では唯一のボーカル入り、ないしはボーカロイド楽曲。当時どちらかと言えばボーカロイドについては否定気味だったのだが、それの要因の一つで「歌詞が聞き取れなくて何を歌っているのか動画の字幕を見ていないと分からない」というのがあったが、その点彼のミクはよく調教されていてそういった抵抗感があまりなく楽曲も洗練されていて、自分にない引き出しを多く持っていたので彼のことは一目置いていた。そんな中前述の話があったことで、当時リリースされていた楽曲の中から個人的に気に入っていた楽曲のボーカルデータをもらい、それを元にイビザライクな哀愁ハウスに仕上げたところ、彼の考えていた方向性とは少し異なっていたもののリリースはしても構わないという判断をもらい公開するに至った。原曲ありきだったのでいつもみたいに破壊行為はせず、なるべく原曲を尊重しながら雰囲気を伸ばす方向にアレンジしたので、自分の楽曲の中でも割と稀有な曲である。

楽曲自体の完成度は悪くなかったが、ニコニコ動画というフィールドで2〜3分にまとめたラジオエディットを用意せずに7分超のフルレングスをドロップしたことは戦略ミスで、案の定「前奏が長すぎる」と言われることになる。

もう彼とは連絡を取り合ったりはしていないが、今でも立派に音楽活動を続けているようだ。